ハイファ大学
イスラエルのハイファには国立大学が2校あります。テクニオン・イスラエル工科大学とハイファ大学です。両校に英語で授業を受けることができるインターナショナル・スクールが附属しており、著者はハイファ大学のインターナショナルで留学していました。今回はハイファの町とハイファ大学インターナショナル・スクールをご紹介したいと思います^^
イスラエル留学に興味がある方の参考になればと思います。
ハイファ大学インターナショナル・スクールHP(英語)
ご近所のテクニオン大学については、友人が書いたこちらの記事をご覧ください。他の記事でも、まさに「生」なイスラエルを垣間見れますよ〜。
- 1. ハイファ
- 2. ハイファ大学
- 2.1. インターナショナルスクール
- 2. 1. 1. 交換留学
- 2.1.2. 修士プログラム
- 2. 2. 気になる寮
- 2. 3. 国立公園
- 2. 4. お気に入りベスト3
- 〜キャンパス探検〜
- 2. 5. さいごに
1. ハイファ
留学先の大学は青々とした地中海を臨む、イスラエル北部の港町ハイファにあります。港町ということもあってか、内陸の山にあるエルサレムの重々しい雰囲気とは異なり、開放的でのんびりとした町です。イスラエルではテルアビブ、エルサレムに続いて3番目に大きな都市であり、ユダヤ人、ムスリム、クリスチャンがお互いを尊重して平和に共存していることから「平和都市」のモデルケースとしてしばしば紹介されます(本当かはさておき。)
ここからは少しハイファのお写真をどうぞ。
...なんか全体的に写真が青い。天気が良すぎ。
山を開拓して家々や道路が作られているので、ハイファの町は坂が多いです。1年ぐらいれば足腰が強くなるかと思いきや、....めっちゃ悪くなりました(激弱)。
クナフェっていう中東スイーツがあるんですよ。ある日、隣町にあるクナフェが美味しい店へ行こうと誘われ「近いし歩いて行けるわ〜」という言葉を信じ、ウキウキしながらついていった純粋無垢な筆者。
...歩いても、歩いても、辿り着かない。
2時間ぐらい歩いたけど、
着かない...だと...!?
その日、筆者は教会で礼拝がありヒール👠を履いていたんですね〜。ヒールで山道、坂道を5-6km歩くとそりゃ足がおかしくなりますわ。
さすがにヒールでは歩けなくなり(よく耐えたな)、途中にあったスーパーでサンダルを探すも見つからず、唯一置いていたのが...
室内用ふわふわスリッパ。マジか。
めっちゃ嫌でしたよ。でも裸足よりかはマシだろうと買いました。
「何でバスとかタクシーに乗らんかったん?」
その日はザ・「安息日」(ユダヤ教の戒律で何もしちゃいけない日。交通機関も止まる。)安息日でもバスが何本か走っているハイファなのですが、歩いていた地区はバスが通らないエリアだったのです。タクシーもあったけど、なぜかケチった筆者←。
足の痛み、後悔の念、ふわふわスリッパの羞恥心、
多大な犠牲を払って食べたクナフェは...
普通でした。
ナンジャコリャ。
全てを返して欲しい。
(美味しいお店のは本当に美味しい。筆者はクナフェ好き。)
結局、往復11kmほど歩いて寮に帰り、それから数ヶ月右膝が上がらなくなったとさ。
イスラエル、歩ける靴必須。というわけで、2回目の留学ではペタンコ靴しか持って行かなかった筆者でした(もはやトラウマ)。
2. ハイファ大学
とある会話 w/ 母
母:「留学していたハイファ大学って、確か有名な山の上にあったよね〜〜」
著者:「うん〜(スマホいじる)」
母:「えっと〜メルカリ山だっけ?」
著者:「うん〜....はい?」
メルカリ山?!
いんや。カルメル山です^^
天然な母はさておき、大学はお山(標高546m)の上にございます。その名も、カルメル山。聖書を読んだことがある方は「おおーーーっ?!」と大興奮?イスラエルは至る所に聖書の地名が出てきます^^
TO: 「???」な方々
クリスチャンが大好きな本に登場するお山⛰なのですよ〜〜〜(以下参照⬇︎)
エリヤは言った。「私はイスラエルに災いをもたらしてはいない。あなたとあなたの父の家こそ、そうだ。現に、あなたがたは主の命令を捨て、あなたはバアルの神々に従っている。今、人を遣わして、カルメル山の私のところに、全イスラエル、並びにイゼベルの食卓に着く、四百五十人のバアルの預言者と四百人のアシェラの預言者を集めなさい。」そこで、アハブはイスラエルのすべての人々に使者を遣わして、預言者たちをカルメル山に集めた。
(第一列王記18:18-20)
世の誘惑からは完全隔離されたカルメル山。学生達は日々勉学に励み、ついには悟りを開いちゃうのでした〜(うそぴょん←ちょっと古い)。
ハイファ大学、山にあるので便は良くないです。インターナショナル・スクールで学長を招いて学生のオピニオンを聞くミーティングがあったのですが、「何もない!」みたいな意見が結構出ていました(何もなくはない)。勉強には最適な環境ですが、リフレッシュするには工夫が必要かもです。
2.1. インターナショナルスクール
ハイファ大学は世界52カ国にある大学と協定を結んでおり、毎年交換留学を行っています。日本にも協定校があり、同志社大学、早稲田大学、九州大学や秋田大学 などがあります。インターナショナル・スクールは以下のプログラムを提供しています。
・留学(1年間 / 1セメスター)
・修士プログラム(1年 )
・サマープログラム
筆者は1年間の交換留学、そして1年間の修士プログラムに参加しました。それぞれプログラムの内容を紹介したいと思います。
2. 1. 1. 交換留学
授業はイスラエル近代史、イスラエル文学、アラブ・イスラエル関係史、グリーンエネルギー、テロリズムや核保有などに関するイスラエルを理解する上で役立つようなものや、その他にヘブライ語やアラビア語を学べるプログラムがあります。週末のフィールドトリップも充実しており、イスラエルの主要な場所には大体訪れることができました。
留学生はアメリカ人が一番多かったです。その次に、ヨーロッパとオーストラリアからの学生。アジアからはほとんどいませんでした。
交換留学の良い点は、日本の大学に支払う授業料で海外の大学プログラムを受講できることです。
仮に協定校でない大学からハイファ大学に留学すると、1年間のプログラム料金は11,700US$*(授業料、旅行費、設備費、健康保険を含む)+ 寮費(3種類あり)。一番安い寮を選択しても1年間で約150万はかかります。その上に渡航費、海外旅行保険、食費や交通費なども必要です。
* 2019-2020年度の授業料(大学HPより)
しかし、協定校からの交換留学だとプログラム料金以外が自費になり、ハイファ大学から奨学金をもらうことも可能です。ちなみに、海外で言う「奨学金」は日本とは異なり「給付型」です。返済する必要がないのです。以下がハイファ大学が出している奨学金です。
・学長奨学金
GPA3.8以上や留学中のボランティア参加などが条件。
・ニード型奨学金(Need-Based Scholarship)
経済的困難を抱える学生のため。
・特定の協定校からの留学生への奨学金
筆者が受給した稀な奨学金です。ハイファ大学と筆者が在籍していた日本の大学の協定関係を記念して出されました。これで寮費と生活費をカバーすることができました。留学生を定期的に送り出している日本の協定校であれば、ハイファ大学が喜んで特別奨学金を出す可能性があります。
奨学金に関しては、学長に直談判という手もあるそうです。(イスラエルでは交渉はアグレッシブにいった方が良いです。余談ですが、アジア人は結構舐められます。勇気を出して強気で行きましょう〜。)
2.1.2. 修士プログラム
インターナショナル・スクールでは17の修士課程を提供しています。
- 教育学、外交学、近代ドイツ&ヨーロッパ学、グローバル・グリーン(MBA)、公衆衛生学(MPH)、ホロコースト学、イスラエル学、ユダヤ学、海洋文明学、国家安全保障学、平和学、考古学、国際関係学、海洋地質学(MSc)、インターナショナルMBA(アジアに特化)、統計学、海洋生物学(MSc)
筆者はユダヤ学を専攻しました。主に聖書時代〜現在のイスラエル史、聖書、ユダヤ文学、芸術や哲学などの授業を取ることができます。実はイスラエル学と授業が重複しているので、学位修得条件はやや異なりますが、内容はほぼ同じです。また興味があれば、他の課程の授業に参加することもできます。
気になる費用は...
プログラム料金11,130US$*(授業料、設備費、健康保険料込み)+寮費(月465US$)
1年間で約180万円かかります。プラス渡航費、海外旅行保険(筆者は入らなかった)や生活費は自費です。*2020-2021年度修士プログラムの料金
しかーし、ここでも奨学金ゲットのチャンスが。
・ニード型奨学金(Need-Based Scholarship)
・各課程からの奨学金
授業料全額または一部を免除。
http://ryugaku.jasso.go.jp/scholarship/scholarship_foreign/israel/scholarship_il/
850US$/月給付、授業料全額または一部を免除、医療保険。
日本人だと競争率が低いのでかなりオススメです。筆者はハイファ大学とイスラエル政府からの奨学金をいただき、渡航費、寮費、生活費と授業料(残りの2割 )が自費。そのうち、寮費と生活費のほとんどを貯金と毎月の給付金でカバーできました。海外で修士を取るにはかなりお得だと思います。
2. 2. 気になる寮
留学生活の要でもあると思うんです。寮。
1度目の留学で、かなりストレスフルだった寮生活。
一番安い寮が:二人一部屋、六人でキッチン、シャワー、トイレ共用。しかも、留学生の場合は部屋の相方が誰か分からない。筆者の場合...ルームメイトがアメリカ人留学生、同じアパートの住人は私たち以外ムスリム。彼女たちの文化や生活を学びつつも、生活リズムが合わない...!!!! なぜか夜になるとパーティーが始まるんですよね。音楽鳴らし、おしゃべりし、友達も来るわ。
勘弁。
と言うわけで、2度目の留学が決まったとき「今度は絶対に一人部屋だわ」と心に決めていたのでした。結果、よかったです。一人一部屋、キッチンとリビングを三人で共用。一つだけ汚い部屋があり、そこには誰も入らなかったので大抵は二人か、自分一人がアパートに住んでいました。ルームメイトは入れ替わりが結構あり、韓国人、イスラエル人、オーストリア人、イギリス人。皆さん大人だったので、快適に静かに過ごせていました。
2. 3. 国立公園
大学のすぐ隣にはカルメル国立公園があります。ハイキングコースも豊富で、週末には家族連れでピクニックやハイキングに訪れる人が多いです。春には色とりどりの花々が咲きます。この公園から見る地中海に沈む夕日も素敵です。リフレッシュしによく行っていました。
2. 4. お気に入りベスト3
〜キャンパス探検〜
1、Student Building
インターナショナル・スクールのオフィスや語学学校が入っている建物です。ここから見る夜景はとても綺麗です。
2、図書館
かなり広いです。たまに猫が侵入しています。大きな窓の外にはハイファの町と地中海が。
3、アロマ
イスラエル版のスタバ的なコーヒーショップ。イスラエルにはスタバないんですよー。ベツレヘム(西岸地区)には偽スタバがございます(写真あり)。
[ おまけ ] 偽スタバ in ベツレヘム。
2. 5. さいごに
書き忘れてたこと。ハイファ大学には結構いい感じの考古学博物館があります。上の写真のような貴重な展示物があって、なかなか良い感じです。入場無料だし。良いっていえば、この舟が展示されている部屋は結構広い上に、夏はしっかり冷房が効いているんですよ。普段はほぼ人がいないので、避暑地になります(なぜか座布団もあった)。
Hect Museum, University of Haifa
https://museums.gov.il/en/museums/Pages/hecht.aspx
イスラエル留学に興味がある方のご参考になれば幸いです〜。
あーお腹すいた。
ではでは、この辺で。